ファストフード

ファストフードが世界を食いつくす

ファストフードが世界を食いつくす

読むまでは、10年以上前の本なので古いかなと思っていたけど、堤未果さんの貧困大国アメリカシリーズとの連続性を感じたことと、自分の知る限り、この本に書かれてる状況が改善されたニュースに接していないことで、全然いまに続くこわさ。
こんな記事も見つけた。
http://www.lifener.net/e3770264.html
前半の、ファストフードの興隆の話はアメリカンドリーム的発想の中で、いろんな人の努力やら、したたかさやら、渦巻いてて面白かった。
後半が、ファストフードにまつわる労働者の待遇がいかに法を潜り抜けるべくされているかとか、養鶏業者がどうなったとかフランチャイズの功罪とか。とくに、牛肉処理の過程や、筆者が潜入した精肉工場の様子、労働者の話は、恐怖。実際の大規模食中毒事件の話まで重ねて裏付けられ…。アメリカはどうなってるんだ!という気持ちになる。堤さんの本読むと、最後にこの本の筆者が提示している消費者の選択による改善も、経済的事情や構造で、結局できなくされてるんじゃないかと思われる。
11年に及んだイギリスでの名誉毀損訴訟の過程の話も面白かった。