育休世代のジレンマを読んで
「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)
- 作者: 中野円佳
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2014/09/17
- メディア: 新書
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男女ともに働きやすくなるために必要とされているのは、第一にまさにこの本が「ケア責任」と名付ける責任の分散なんだと思う。子どもを育てるとなると、授乳・おむつ替え・泣いた時の対処・寝かしつけなんかから始まって、日中一緒に遊んであげる・危なくないよう見ててあげる・病気の時の対処等々いろんな「お世話」をする責任が待ってる。大人が生活するための家事も。産むことと母乳あげることは母親にしかできないけれど、それ以外は父母平等でいいはず。というところから「みんなが」出発するようにしないと解決しないと思う。
第二にそういう制約のある時期を「誰しもあるもの」として「適度な配慮」(この本では「過剰な配慮」=やりがいを感じられない「楽すぎる」仕事への配置も退職の一因になると指摘している)をしていく職場側の変革。成人男女の客観的な統計上も結婚して子供がいる人の方が多いのだから、子育てで大変な期間は一定の配慮をすればいいと思う。
私がこれまで見た限り、今の職場はこの面ではすごく「良い」部類なんだろうと思う。自分自身、子ども生むことが特段不利益とかそういう観念自体抱かなかった。そういえば「焦ることもあるかもしれないけど長い目で見れば変わらないから。」と言ってくれた先輩女性もいた。そして確かにその人自身、言ってくれた時点で十二分に能力を発揮・評価されているように見えたので「そうだよね」ぐらいにしか思わなかった。先輩女性たちは多くが子育てを経ている人だし、全体の男女比率に比べて管理職?の男女比率が劇的に変わっていないこともあると思う。育休明けの勤務地がどこであれ、「まあ今はそういう時期だな」程度にしか思わないと思う。
この本読んでてわかった、あと二つ、大きい要因は、仕事の「質」が変わらないということと、(たまたま上司の巡り合わせか?)男女問わず、子ども関係理由に早く帰ったり遅く来たりが、仕事に支障ない限り普通に行われていたことだと思う。
もしかしたら自分も目をそらそうとしているだけで、他の人から見たらそんなことないのかもしれない。でも育休とる側がこう思えるっていうのは大事だと思う。