刑事裁判実務の入門書に反発する

判事の手帖―犯罪実話を素材とした刑事裁判実務の入門書 (1974年)

判事の手帖―犯罪実話を素材とした刑事裁判実務の入門書 (1974年)

刑事裁判実務の入門書との副題とおり読みやすい。
ただ、「検事が誤って罪のないものを起訴した場合には、検事はどんな努力をしても、被告人、弁護人の主張に打ち勝つことができないはずである」逆もしかり、って、なんでそんなに自信満々なのか全くわかんない。
被告人の公判廷での否認が「真実だった例」「虚偽だった例」旨紹介してるけど、実際の事件の正解を裁判官が知ってるわけじゃないんだからと思ってしまって、この手の話で「こうすれば分かるのである」みたいな言い方をされると相当違和感を覚える。
考え抜いた結論に自信をもつ方向性は、あくまで「こういう証拠からは少なくともこうとしか認めざるをえない」レベルで説得的でありたい。言い方の問題?にしても感じる違和感。。
別の話題で、最後の方に裁判官の感情が事実認定に影響した例がだされ、被告人へのあわれみから無罪としたのだろう、思いやりを感じるみたいな評価がされてたけど、事実認定での解決は明らかにおかしくないか。。