冤罪関連書籍

「冤罪」のつくり方―大分・女子短大生殺人事件 (講談社文庫)

「冤罪」のつくり方―大分・女子短大生殺人事件 (講談社文庫)

あまりにひどいDNA鑑定が行われて、そのひどさがたまたま客観的に明らかな事実に表れていたからはっきり冤罪(控訴審で一審破棄・無罪・確定)分かったけど…。それがなければ、と思うと、とっても怖い。
一審で被告人は、第12回公判で「思い込み自白」から否認に一転。正直、決定的な証拠がなければ、「普通、本当にやってないのであればもっと早くに否認するのでは」と思いかねない。この本で、そうとは言えないんだということがよくわかった。
杜撰すぎる鑑定以外も、この人を犯人に絞り込んでいった過程はひどいとしか言いようがない。筆者は、鑑定書を読みながら何度も怒鳴りつけたいほどの怒りを感じたそうだが(ふざけろ!かな?)、同感。この事件ではたまたま捏造と明らかな点があったものの。専門的なところは本当に、ちゃんとやってもらうしかない。そして裁判所としては、真っさらな気持ちで事件に取り組み、おかしいと思ったところがあれば素直に向き合うという姿勢を維持していくしかない。