裁判員制度の法社会学
- 作者: 日本法社会学会
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2013/11
- メディア: 単行本
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・「弁論が評議と裁判員の意思決定に与える影響」
…実験の条件に疑問(論文の最後に挙げられた点に加え、専門家裁判官役を法科大学院卒業生(素人裁判官は美術系大学生)にした点、評議時間は1時間〜2時間強という非常に限られた時間で正当防衛の成否を決める点、サンプルが6合議体のみの点。実際の評議・その準備は相当気を遣って行っている)。着眼点としても、弁護人として、専門家裁判官の影響を受けないにはどうすれば、と考えても余り意味がないのでは(裁判官の方が裁判員より被告人に有利な心証をもつことも、両方向あり得る)。
「裁判員は何者として意見を述べるか」
…この手の実験では止むを得ないけれども、サンプルは模擬裁判、その中の自分の経験述べたとみられる発言をピックアップするという手法。挙げられた発言数などみても、一定の結論を出す難しさをかんじる。
性犯罪裁判員裁判の、裁判員構成の男女比と結論の相関関係を探ろうとしてる論文が、何か結論出せているかはべつにして、いちばんよかったかな?