イワン・イリッチの死

イワン・イリッチの死 (岩波文庫)

イワン・イリッチの死 (岩波文庫)

「絶望の裁判所」で、「裁判官の官僚性をよくあらわした名作、主人公の名前などを少し変えればそのまま現代日本の裁判官の話としても通用する」というようなことで何度か引用されていたこともあって読んでみた。読んでみるとそんなに裁判官とか官僚の話ってことは前面に出てない印象。たまたま主人公の設定が裁判官というかんじで「凡俗」という言葉がぴったりというか。若輩者の自分には、どうして主人公がこんなに妻とか子供に冷たくあたるのかよくわかんなかった、イライラしてもしょうがないのにと。とにかく病気による大変な肉体的・精神的な苦痛の末、最後数ページぐらいで諦観する。
自分がこの本の描写にとくべつ共感するに至らなかったのは、ひとえに若輩者のためか。