安全神話崩壊のパラドックス

安全神話崩壊のパラドックス―治安の法社会学

安全神話崩壊のパラドックス―治安の法社会学

自分の体調もあってか読むのに時間がかかりすぎ、前半の記憶があいまいなところもあるけど、「マスコミの報道によって凶悪事件は増えたようなかんじがして安全神話の崩壊なんて言われているけど実は増えていなくて、そのかわり、住宅街をミクロな視点でみると、ひったくりとか空き巣とかそういうのがちょこちょこ増えている、それは住宅街の人間関係が変貌したから」「住宅街にしても、夜に通りを歩く住民がいなくなればひったくりはなくなるし、夜中にあいてる店がなくなれば、警察も犯罪者の取り締まりがしやすい、24時間どこでも安全というのは今も昔も無理難題」「繁華街にしても、昔は『夜遅くに出かけてはいけない』っていうのが常識ぐらいに危険だったけど今では夜更けに女子高生も歩けるぐらいに安全になったともみられる」って話だと思う。
ただ、正確にこの本を理解していないだけなのかもしれないけど、ひったくりや住居侵入などが深夜にしか起きていないわけではないし(この点の指摘は本の中にもあったかな)、結局、住宅街でのそういう犯罪が増えているんだったら、治安の悪化というのはそんなに間違った表現ではないのでは。

ほかには、ヨーロッパの人間関係と、日本の古くからの人間関係を比べて、日本の人間関係は狭くて他者を知っている→だから訴訟も少ないし、住んでいる地域をミクロでみれば安全神話があったみたいなかんじ。
ちなみに河合幹雄さんは、河合隼雄さんの子どもらしい。