ミカドの肖像

ミカドの肖像〈上〉 (新潮文庫)

ミカドの肖像〈上〉 (新潮文庫)

ミカドの肖像〈下〉 (新潮文庫)

ミカドの肖像〈下〉 (新潮文庫)

天皇制に、変わった視点から迫る。西武プリンスの買収がどのようにうまくいったかとか、イギリスで上演されてたオペレッタ、ミカドについてなど。西武プリンスの話、よく調べてあったけど、結論として何かすっきりしたものが見えたという読後感はない。とはいっても、おおまかな仕組は分かったので、この仕組を解明しただけでもすごかったんだろう。この切り込み方で、猪瀬さんが自分の問題について切り込んだらどうなるんだろうか…など思ったり。
素直に面白かったのは、冒頭の「禁忌x1」「x2」、東京海上ビル建設の件と原宿の皇族専用ホームの話。そして結局上下巻通じて「禁忌x1」「禁忌x2」が一番面白かった。
下巻のオペレッタミカドの話も、明治天皇のよくみる肖像がキヨソーネという人による絵だったというのを中心にした話も、いろんなことがいろいろでてくるけど、それらが有機的に結びついて…というところまで行かなかったように思える。理解が足らなかったら申し訳ない。天皇制を中心にしていろんな話が放射線状に広がってるようなイメージ。